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UBEの産業観光ツアー


産業観光委員会の県外調査2日目は、宇部興産を訪れ、地域の産業と観光を結びつけた「産業観光バスツアー」を視察する。

宇部市は山口県内でも下関や萩のような観光地ではない。そこで隣接する美祢市、山陽小野田市と3市で産業観光観光推進協議会を立ち上げ、平成19年にモニターツアーを実施し翌年からはバスツアーを開始した。

宇部と言えばセメントメーカーとして名前を覚えている以外に知識の乏しかった小生は説明を聞いて驚いた。
まず、生みの親とも言うべき渡邊祐策翁は明治30年に、石炭の販売を目的に「沖ノ山炭鉱組合」を創立、独自の販売戦略で経営を軌道にのせた。しかし石炭は有限の資源である事から「有限の鉱業から無限の工業へ」の理念を抱き、採炭によるボタ(廃土)で海を埋め立て工業用地を造成し、鉄工所、セメント、化学などの工場を次々に開設して今日の地位を築いた。
特筆すべきは、地域の発展を事業の目的にしている事。夕張ばかりでなく、鉱物資源を基にする産業は資源の枯渇と共にその役割を終え、急激な人口減少に直面し自治体存続の危機に瀕している例は全国に枚挙にいとまがない。
そうした事例の多くは、財閥系のグループによるよるところが多く、採算が取れなくなると直ぐに撤退するが、当地の場合は当初から「組合」による事業運営であり、現在もその仕組みは受け継がれている。毎年株主総会には地元の市民千数百人が参加するとの事である。


バスツアーの目玉は30キロ以上にわたる「市道」を通る事。。石灰石を採掘する鉱山は鍾乳洞で有名な秋吉台にあるが、そこから港の工場まで専用の道路を作ってしまったのだ。1台で80トンの石灰を運ぶ事が出来る専用トレーラーは、国内ではここでしか見る事が出来ない。ナンバーも車検も無いから当然である。

写真の露天掘りをしている伊佐鉱区は直径1キロ以上、深さは海面よりはるかに深い。余りの大きさにただただビックリ。
セメントの国内需要は最盛期の半分近くに減ったが、それでも年間5千万トン程度はある。気になるのは埋蔵量だが、その点は心配無いようだ。セメントは国内自給出来る数少ない資源であり、様々な産業を支える基になっている。

工場見学や工場夜景が最近人気を博しているのは新聞等で見ていたが、この「産業観光ツアー」はより意味の深いスケールの大きな産業観光である。秋田からはなかなか行く機会は少ない場所だけに、価値ある「産業観光」を学んだ。
author:北林丈正, category:議会, 17:07
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