「秋田県警察嘱託警察犬審査会」が秋田市の旧空港跡地にて行われた。
舌を噛みそうな長い名称であるが、分かり易く言うと‘警察犬の認定試験’である。
警察犬は県警の刑事部鑑識課の所管だが、県警が飼育するのでなく、民間人が育てた犬が審査会を受け、合格した犬が「嘱託犬」として登録され、いざという時にお呼びがかかる仕組みだ。
この審査会は年1回のみ。手塩にかけて育てた愛犬が合格するかどうか皆真剣だ。
開会式では審査委員長の刑事部長が挨拶。県内では今年警察犬の出動が10件あり、内6件は犯罪捜査、残りの4件は捜索であるとの事。
審査の項目は大きく分けて2つ、「足跡追及」と「臭気選別」がある。
「足跡追及」はアスファルト上でやる「特殊場所」と草地でやる「普通場所」に分かれる。アスファルトは匂いが付きにくいのでか‘特殊’と呼ばれるが、一般の犯罪捜査はアスファルトやコンクリート上が多く、これをパスしないと実践には使えないようだ。
最初に布に付いた臭気を嗅ぎ、予め付けた足跡をたどる。審査員が時間や正確性などを点数にして採点する。
初めて目にする「審査会」だが、見ているとなかなか面白い。
犬の嗅覚は人間の数千倍とも言われるが、何の匂いでも嗅ぎ分けられるかというとそうではないらしい。やはり生きる為に備わった能力だ。'動物’の匂い、たとえば人間の汗の匂いなどにはよく反応する。
それにしてもアスファルト上の足跡をたどる能力には驚くばかりだ。たぶんどんなハイテク機器もこれに関しては犬には敵わないだろう。
警察犬の'出番’はそうめったに無い。まして秋田県ではなお更である。
しかし、その警察犬を育てる為に日夜訓練に励んでいる愛犬家がたくさんいる。いや‘警察犬’を育てる為というよりも訓練の先にある‘勲章’のようなものだろうか。
審査会の結果は後日郵送で送られるそうだ。